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公募要領

京都大学化学研究所
化学関連分野の深化・連携を基軸とする先端・学際グローバル研究拠点
令和6年度国際共同利用・共同研究公募要領

 京都大学化学研究所は、「化学に関する特殊事項の学理及び応用の研究を掌る」ために、化学を中心とする分野で基礎研究に重点を置いた先端研究に邁進してまいりました。平成22年度より国立大学共同利用・共同研究拠点としての活動を始め、平成30年にはそのグローバルな事業展開が評価され、文部科学大臣から国際共同利用・共同研究拠点として認定されました。これを受けて平成31年度からは第1期、さらに令和3年の再認定を受けて同4年度からは第2期の国際共同利用・共同研究拠点活動を実施し、多様でグローバルな化学分野の共同研究を一層強力に推進すべく、さらなる事業展開を図っております。

 つきましては、化学が関わる分野でご活躍の皆様のご意見・ご要望を尊重しつつ、世界の化学の基礎・応用研究を皆様とともに一層推進することを念頭に置き、下記の要領で令和6年度の拠点共同利用・共同研究の課題公募をさせて頂きたく存じます。

 この公募に当たりましては、分野選択型(計画研究型)、課題提案型、連携・融合促進型および施設・機器利用型の四つに分けて研究課題を募集いたします。令和4年度から、分野選択型には従来の【基幹分野】の他に、化学研究所が重要分野と考える【特定分野】を設けました。これらの課題の実施に際しては当研究所の専任教員または客員教員との共同研究を基調といたしますが、いずれの課題でも後述の共通設備・機器・資料等のご利用が可能です。なお、各課題とも、海外研究者を研究代表者あるいは研究協力者とする国際共同研究(この場合、英語フォームで申請下さい)と、国内研究者を研究代表者とする国内共同研究を実施致します。これらの点も勘案いただき、本公募要領の詳細について十分ご確認の上、期日(令和6年1月19日)までにご申請下さいますようお願いいたします。

京都大学化学研究 所長  青山卓史
共同研究ステーション長  小野輝男

 

1. 研究期間

1年間(令和6年4月1日から令和7年3月31日まで)

2. 研究課題分類

 下記のような分類(型)ごとに研究課題を募集いたします。いずれの課題についても、分類ないし分野の担当者もしくは当研究所で対応する共同研究者にご一報の上、ご申請下さい。

2-1. 分野選択型(計画研究型)研究課題

 分野選択型(計画研究型)研究課題は、あらかじめ設定された分野に関して化学研究所内の研究者と共同で遂行する課題です。令和6年度は下記の基幹5分野および特定2分野について課題を公募いたします。7分野を合わせて、萌芽的な課題と発展的な課題をそれぞれ25件程度、採択の予定です。

2-1‐1. 分野選択型【基幹分野】研究課題

ビーム科学分野
(担当者:若杉 昌徳; wakasugi.masanori.8z@kyouto-u.ac.jp)
基本テーマ:先進量子ビームの開発と新奇診断分析手法の創出
趣旨:レーザー、X線、電子線、イオンビームなどの量子ビームの高度化とその先端的診断分析法への応用を進めます。また、これらの量子ビームを複合的に用いて、極微細領域での超高速化学・物理現象の解明を目指します。

元素科学分野
(担当者:大木 靖弘; ohki@scl.kyoto-u.ac.jp)
基本テーマ:元素科学に基づく物質創製・機能創出
趣旨: 元素の新たな特性を引き出し、この特性をもとに優れた機能を有する新物質を創製します。元素と社会との関わりを俯瞰した元素戦略研究も推進します。物質の機能は、構成元素の特性を相乗的に反映して発現します。この発現機構を明らかとし、望みの機能を意のままに創出することを目指します。

バイオ情報学分野
(担当者:阿久津 達也; takutsu@kuicr.kyoto-u.ac.jp)
基本テーマ:バイオ情報を含む複合情報の融合解析
趣旨:ゲノムやメタゲノムに代表される最新バイオ情報に立脚して、バイオ情報がいかに生体内や自然環境における化学現象と関わっているかを明らかにし、生命システムについての化学的理解の深化を図ります。さらに、その成果を応用して、ゲノム創薬やパーソナライズド医療などへの展開も目指します。

物質合成分野
(担当者:村田 靖次郎; yasujiro@scl.kyoto-u.ac.jp)
基本テーマ:複合機能材料の戦略的創製
趣旨:異種材料のハイブリッド化・複合化ならびにナノサイズ化に重点を置き、新規な機能をもつ新世代材料の創製を目指すとともに、生体の認識、応答、反応などの諸機能を担う例えば生体膜等も複合機能材料と捉え、機能物質と生命現象の化学的相関の解明も目指します。

現象解析分野
(担当者:長谷川 健; htakeshi@scl.kyoto-u.ac.jp)
基本テーマ:複合測定に基づく物質解析
趣旨:化学を基盤とする多種の分光学的手法・解析的手法を複合的に駆使して、天然および人工物質の構造・性質を分子レベルから巨視的レベルまで階層的に理解・記述することを目指し、一方、その結果を還元することによって新たな物質科学の枠組みを構築する取組みも目指します。

2-1‐2. 分野選択型【特定分野】研究課題

量子情報・スピントロニクス分野
(担当者:小野 輝男; ono@scl.kyoto-u.ac.jp)
基本テーマ:量子情報・スピントロニクス分野
趣旨:物理学、応用物理学、電子工学、磁気工学、材料化学、化学、情報科学および境界領域の新しい科学技術の創造により、古典情報と量子情報技術を融合・発展させ、Society 5.0 とポストコロナ社会で必要とされる将来情報技術の基盤構築を目指します。

スピン生命フロンティア分野
(担当者:山子茂;yamago@scl.kyoto-u.ac.jp)
基本テーマ:MR計測における新たなスピンプローブの開発
趣旨:新たなスピンプローブ(新規特性を持つプローブ、強いシグナルを生じるプローブ、特定の細胞や生体組織に局在するプローブなど)、およびその周辺技術の開発を行うことにより、MR計測における新規原理・手法の創出へとつなげるとともに、分子科学・生命科学・生理科学が融合した新たな分野の開拓を目指します。

2-2. 課題提案型研究課題

(担当者:寺西 利治; teranisi@scl.kyoto-u.ac.jp)

 課題提案型研究課題は、前項1で設定した一つの分野に留まらない分野、あるいはそれ以外の分野について、化学関連分野の研究者から自由にご提案いただく課題です。萌芽的な課題と発展的な課題を、それぞれ20件程度、採択の予定です。新分野の開拓につながるような課題を特に歓迎いたします。なお、緊急性・重要性が極めて高いと判断した課題については、前記の応募期日にかかわらず、直ちに採択することもあります。

2-3. 連携・融合促進型研究課題

(担当者:栗原 達夫; kurihara@scl.kyoto-u.ac.jp)

 連携・融合促進型研究課題は、化学関連分野における国内外の研究連携の強化を主目的とする共同研究課題です。国外も念頭に置く場合は、化学研究所の部局間国際学術交流締結先 (http://www.kuicr.kyoto-u.ac.jp/sites/international_exchange/agreement/ 参照)との共同研究を開始する場を求めていただくことも可能です。また、この目的に沿った研究集会の開催も本課題として応募いただけます。5件程度を採択する予定です。

2-4. 施設・機器利用型研究課題

(担当者:二木 史朗; futaki@scl.kyoto-u.ac.jp)

 施設・機器利用型研究課題は、(https://www.icr-ijurc.jp/equipment/拠点ホームページ)に記載の共通設備・機器・資料等の利用を主とする共同研究課題です。15件程度を採択する予定です。

令和6年度国際共同利用・共同研究経費概算値

経費上限/件*(千円)
国際共同研究 国内共同研究
分野選択型萌芽的研究 1,000 800
分野選択型発展的研究 2,000 1,500
課題提案型萌芽的研究 1,000 800
課題提案型発展的研究 2,000 1,500
連携・融合促進型研究 1,000 800
施設・機器利用型研究 1,000 800

*表中の金額は目安です。予算の状況に応じた減額もありえますことをご了解下さい。
経費内での備品費、消耗品費、旅費の配分は、申請者と化学研究所の共同研究者が協議して決定下さい。特に、旅費については、地域性を勘案してご決定下さい。

3.共同研究応募方法

3-1. 申請資格

 国公私立大学、国公私立研究機関、独立行政法人等の専任研究者、または、これに準ずる者。

3-2.申請書記入要領

 申請に当たっては、該当する募集分類・分野の担当者もしくは当研究所で対応する共同研究者と、事前に研究課題、研究内容、研究経費に関して、必ずご協議下さい。対応する共同研究者は、当研究所の専任教員または令和6年度客員教員からお選び下さい。なお、教員のリストは下記の化学研究所ホームページをご参照下さい。

 教員リスト 教職員一覧 | 京都大学 化学研究所 (kyoto-u.ac.jp)

また、対応する共同研究者をお決めになれない場合は、各分類・分野の担当者に、まず、ご相談ください。上記の表の経費上限は目安です。特に、経費内での備品費、消耗品費、旅費の配分については、当研究所で対応する共同研究者と十分にご協議の上で申請下さい。特に、旅費については、地域性を勘案してご申請下さい。
 課題申請は、本要領に添付の分野選択型共同利用・共同研究申請書(様式1 word / PDF)、課題提案型共同利用・共同研究申請書(様式2 word / PDF)、連携・融合促進型共同利用・共同研究申請書(様式3 word / PDF)、施設・機器利用型共同利用・共同研究申請書(様式4 word / PDF)に必要事項を記入し、下記の要領で、化学研究所共同研究推進室にご提出下さい。
 なお、各課題とも、海外研究者を研究代表者あるいは研究協力者とする国際共同研究も実施可能です。この場合、英語利用申請フォーム(Forms 1~4)の左肩の欄にチェックを入れて、当研究所の共同研究者に提出をご依頼下さい。

記入上の注意事項
1. ※を付した事項は当研究所で記入します。
2. 当研究所で対応する共同研究者は必ずご記入下さい。
3. 申請者(研究代表者)と共同研究者の役割分担を明記して下さい。事前に共同研究者の承諾を得ていただくことが必要です。
4. 申請書は3頁以内にまとめて下さい。

【安全保障輸出管理に関して(化学研究所教員用)】
国際共同研究に関しては、安全保障輸出管理の提出が必須です。
当研究所で対応する共同研究者は、下記のURL
https://www.jimu.uji.kyoto-u.ac.jp/adm/category/guide/guide_koryu/#post-25120
で安全保障輸出管理にかかる手続きを確認し、関係様式を期日までに研究協力課・国際交流掛 <uji.kokuryu@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp>に提出して下さい。

【具体的な事例】(事例6)共同研究の開始 [参考]化学研究所の国際共同利用・共同研究申請前に求められている安全保障輸出管理事前確認シート提出をしたい
https://www.jimu.uji.kyoto-u.ac.jp/adm/?p=62179

3-3.提出期限および提出先

 応募に当たっては、前記の申請書にご記入の上、令和6年1月19(金)までに、下記宛に電子メール添付書類(Word書類)としてお送り下さい。

  問い合わせ先
  京都大学化学研究所 共同研究推進室
  E-mail: icr-hub@scl.kyoto-u.ac.jp, 電話: (0774) 38-3104

4.課題選考と採択通知

 応募課題の採否は、当研究所の共同研究委員会で審査し、運営評議会の承認を経て決定されます。審査に際しては、共同研究の申請内容だけでなく、予算枠や、共通設備・機器・資料の使用時間等も考慮いたします。採否の結果(内定)については、令和6年3月に当研究所の所長から研究代表者に通知いたします。

5.研究の実施および研究成果報告

5-1.研究経費等

 研究代表者と当研究所で対応する共同研究者には、予算の範囲内で、研究経費(備品費および消耗品費)と旅費が支給されます。また、研究協力者(学生も含めることが可能です*)にも予算の範囲内で旅費が支給されます。共同研究の実施に当たっては、まず対応する共同研究者にご連絡下さい。なお、当研究所には、共同研究者のための宿泊施設はありません。
 *研究協力者について、学生の場合は原則として大学院生といたします。なお、傷害保険等に加入していることが必要です。

5-2.研究成果報告

 採択された研究課題については、研究成果報告書を次に記す作成要領に従って記載・提出していただきます。その報告書は、まとめて当研究所の国際共同利用・共同研究報告書集として公開させていただく予定です。また、その内容を研究成果報告会でご報告いただくことがあります。なお、報告会についての詳細は、採択課題の研究代表者に後日お知らせいたします。

5-3.研究成果報告書の作成要領

 分野選択型研究、課題提案型研究、施設・機器利用型研究については1頁、連携・融合促進型研究については2頁の報告書を(様式5 word / PDF)を用いて作成下さい。A4 版の用紙には1頁あたり1,200字程度が記載できます。図表などカラーを用いても構いませんが、報告書集刊行の際はモノクロ印刷になることもありますので、その点をお含み置き下さい。
1頁の1行目の中央に研究課題名、3行目に右詰めで研究代表者の氏名と所属、5行目から本文を記載して下さい。なお、当研究所で対応した共同研究者は報告書の共著者とはせず、必要に応じて本文中に明記して下さい。また、国際共同研究の場合、報告書は英文でご作成ください。

5-4.報告書の内容

 形式は自由ですが、例えば、実験的研究では、目的、実験方法、実験結果、考察、成果報告(論文、学会発表等)をお書き下さい。なお、連携・融合促進型研究で研究集会を開催した場合には、研究集会のプログラム、参加者名簿(所属機関・部局・職名を明記)、および、作成された場合は要旨集またはプロシーディングスを添付して下さい。

5-5.報告書の提出

 提出締切日は、令和7年2月末日とします。電子ファイル(WordファイルとPDFファイル)を、下記宛にお送り下さい。なお、ファイル名は「課題番号+代表者名(姓)」として下さい(例:2023-1田中.doc、2023-1田中.pdf)。

  問い合わせ先
  京都大学化学研究所 共同研究推進室
  E-mail: icr-hub@scl.kyoto-u.ac.jp, 電話: (0774) 38-3104

5-6.研究成果の公開

 学術論文などによる研究成果の公開に際しては、京都大学化学研究所の国際共同利用・共同研究として行われたことを明記して下さい。英文での謝辞例を次に示します。

  謝辞例: This work was supported by the International Collaborative Research Program of Institute for       Chemical Research, Kyoto University (grant # XXXX).

      日本語での謝辞は、この英文表記に準ずるものとして下さい。